以前紹介したバブアーのビデイルジャケットの記事からはや2年が経ちました。
ビデイルの経年変化をレビューしようか、それともリプルーフの記事を書こうかと思いましたが、今回は原点回帰。
そもそもオイルドクロスはどのようなメリット・デメリットがあるのかというお話。
オイルドジャケットの購入を考えている人に是非読んでもらいたい記事になります。
特殊な素材なのでケアを適度にできる人じゃないとバブアーは愛せません!!!
★オイルドクロスのデメリットが知れる
オイルドクロスとは何なのか?
オイルドとクロス
名前だけでどのようなものかざっくりわかりますね。
名称そのまんまですがオイルドクロスとはクロスにオイルを染み込ませた生地!
詳しく言うと、コットン素材の生地に防水機能を高めるためにオイルを染み込ませて加工を施したものをオイルドクロスと良います。
オイルドクロスや、オイルドコットン、ワックスドキャンバス、ワックスドコットンなんて呼ばれ方もしています。
ジャケットのみならず、昔のテントなんかもオイルド加工を施されたものが多いです。
もちろん発祥はイギリス。
バブアーによるものです。
それ以前に船の帆などに使われていたかもしれませんが、基本的にオイルドコットン=バブアーと言っても過言では無いと思います。
その他にはベルスタッフや、アメリカのフィルソンアタリも有名です。
オイルドクロスの効果(メリット)について
ではオイルドクロスは防水機能を高めたコットン素材だということがわかりましたが、詳しいメリット(効果)は一体何なのか?
なぜこのご時世ゴアテックス加工のナイロンジャケットじゃなくて、オイルドジャケットを選ぶのか?
その1:耐久性がある
防水ジャケットの中ではダントツ一番と言ってよいほど長持ちします。
ナイロンジャケットは5年〜10年で劣化し、引き裂きなどが起こるのにくべ、オイルドコットンはまさにケアを怠らなければ一生モノとなりえます。
分厚くて頑丈、引き裂きや擦れにも強い。それでいて防水。
それがオイルドジャケットの一番の効果です。
もともとは漁師のために開発され、その効果が絶大だったので、イギリス軍や、ライダーにも使われる素材となったオイルドクロス。
それだけでもいかにタフな素材でアウトドア向けなものだったかわかります!
その2:経年変化を楽しめる
男心をくすぐる言葉「経年変化」
オイルドコットン素材は経年変化を楽しめる素材の一つでもあります。
まさに革靴用に長年使うことによって、世界で1つだけの自分色の変化が見られるのです。
なぜコットン素材なのに、革靴のように使い込むことによって変化が起きるのか?
それは、オイル抜けが起きることによって色落ちするからです。
ジャケットの場合、特に肘などの動かしてシワが生まれる部分に色落ちが見られるようになります。
革靴の履き皺やデニムのあたりのように、オイル抜けする形がかっこよくて、男性のみならず最近ではバブアー女子なんて言葉もあるくらい女性にも人気です。
そしてコットン素材なので、多少ですが、パッカリングも生まれます。(縫い目部分のうねり
オイル抜けとパッカリング
この2つが、ナイロン素材を選ばずに古き良きオイルドコットン素材を選ぶ理由なのかもしれません。
オイルドクロス(コットン)のデメリットについて
では次に、オイルドクロスの難点(デメリット)について。
デメリットを知ることで、着用して良い場所悪い場所がわかり、もっと好きに慣れます。
その1:とにかく重い
バブアーのジャケットで説明すると、3種類のオンスがあります。
軽めの4オンス、中間の6オンス、ヘビーウェイトの8オンスの三種類。
4オンスは軽いですが強度は弱く、心もとないとない。
安心できる防水性と耐久性がマストという考えで行くとおのずと重さは増していきます。
個人差はありますが、ダウンジャケットや、化繊の素材のアウターと比べると遥かに重く、長時間の着用は疲れます。
重いほうがしっかりしていて高級感があって好きという人もいるので、100%デメリットというわけでは有りませんが、時代と逆行している素材です。
その2:暖かさは期待できない。
オイルドクロスは、防水性、防風性(風を通さない力)はありますが、保温性は基本的には有りません。
真冬に薄手のインナーとオイルドジャケット1枚とかは厳しいのでウール素材の服の上からジャケットを着るか、バブアーであればライナーベストを着る必要があります。
インナーベストについての記事も書いたのでこちらも合わせてどうぞ。
取り外し可能。バブアーのライナーベストとフードの特徴
その3:オイルドクロスは臭い
オイルドクロスの一番の難点。
それは匂い!
最近では匂いは改善されたと言われますが、オイルドクロスである以上オイル臭さはほのかにあります。
このオイル臭さは電車ではアウト。車の中もアウト。
着ることができないシーンが多いのです。
洗濯でオイルを抜く人もいますが、結果防水性がなくなり、生地も弱くなるので、それはもうオイルドクロスでは有りません。
本物のオイルドクロスと付き合うとなると、重さや、匂いはつきもの。
それを改善しようとするのではなく、周りに迷惑をかけずに、オイルドクロスを楽しむというのが、長く付き合うために大切なのかもしれません。
以上がオイルドクロスの基礎知識でした。
お付き合い頂きありがとうございました!
最後にまとめを書いておきますね!
オイルドクロスのまとめ
①オイルドクロスとはオイルとコットンを組み合わせた素材
②防水性と防風性はあるが保温性は無い。
③タフな生地で経年変化も楽しめる
④重たくて、臭い
⑤発祥はイギリスで歴史が深い