ニットの聖地イギリスには11の格式高いニットブランドが存在しています。
今回はそんなイギリスの超名門ブランドを11選ピックアップしました。
アランセーターとかカウチンセーターとか。セーターの種類が多すぎてわからない〜 この記事では10パターンの定番セーターの特徴とルーツを紹介します。知ればコーディネートの幅がググン[…]
セーターの聖地イギリス『11の定番ブランドを紹介』
今なお国内生産、伝統的な製法を守るニットブランドが多く、そのクオリティーは世界中から評価されています。
ジョンスメドレー『ハイゲージニットの王道ブランド』
ジョンスメドレーの基本情報 | |
創業年 | 1784年 |
地域 | イングランド、リーミルズ |
定番アイテム | ハイゲージのメリノウールニット |
特徴1 | 現存する世界最古のニット製造工場でつくられる。230年以上の歴史からなる洗練されたデザインは唯一無二。 |
特徴2 | 20ゲージ以上の決めの細かいニットのみを使用する「ハイゲージニット」ブランド。 |
イギリスの老舗ニットブランドJOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)
非常に網目の細かい「ハイゲージニット」のみを使用しており、特にフォーマルスタイルやミニマルなファッションが好きな方からの人気があります。
1着を作るのに1年。そして1500メートルの長さの糸&120万もの編み目が必要と言われるジョンスメドレーのニット。
途方もない工程と職人の力により最上級のニットが完成されます。
素材は主に、極細のメリノウールやシーアイランドコットン。厳選に厳選を重ねたファブリックです。
デザインは無駄を削ぎ落とした究極のシンプル美。かつ様々な体型の方にフィットするよう計算し尽くされています。
最高品質のウールと230年以上に誇る伝統からなる「着心地」。袖を一度通してしまうと虜になってしまうことは間違いないでしょう。
プリングル『伝統を守り挑戦し続けるブランド』
プリングルの基本情報 | |
創業年 | 1815年 |
地域 | スコットランド |
定番アイテム | アーガイル柄のカシミアセーター |
特徴1 | 1930年代に誕生したダイヤ柄を施したセーターがプリングルの定番柄。 |
特徴2 | 上質なカシミアニットが評価され英国王室やハリウッドスターが好んで着用していた。 |
伝統的な製法を守りつつも現代的かつ挑戦的なアイテムを作り続けている「プリングルオブスコットランド」
アーガイルチェックがトレードマークで、過去には数え切れないほどのミュージシャンやハリウッドスターが愛用。今なおセレブリティーから絶大な人気を博すブランドです。
デザインはもちろんのこと、プリングルスを不動の地位にお仕上げたのは厳選されたカシミア素材。
プリングルスはデザイン先行。と思われがちですがそれは間違い。
1930年代には上質なカシミア素材を使ったアイテムが評価され英国王室からの表彰を受けました。続く50年代にはロイヤルワラント(英国王室御用達)も獲得しています。
繊維の糸が細かく着ていることを忘れてしまうほどに軽く、着心地の良いプリングルのカシミア
プリングルのカシミアセーターは10万円を超える高級品ですが生涯に1度着てみる価値アリです。
ジョンストンズ『最高品質を常に突き詰めているブランド』
ジョンストンズの基本情報 | |
創業年 | 1797年 |
地域 | スコットランド、ニューミル |
定番アイテム | スチュアートチェック柄のマフラー |
特徴1 | 高級繊維を主力としどれもハイクオリティーで上質な手触り。過去にはエルメスに納品した実績がある。 |
特徴2 | イギリスを代表するタータンチェックが人気。 |
ジョンストンズは、原毛から製品化まですべての工程を1つの工場で一貫して行っているスコットランド唯一のブランド。
生地選定に一切の妥協がなくどれも最高級。カシミアはもちろんラムウールやビキューナ、メリノウールなど様々な素材のアイテムを生み出しています。
絶対の自身がなければ掲げられないコンセプトですね!
カシミアのストールはサイズにもよりますが1つ5万円〜8万円ほど。
200年以上の歴史。製品作りに従事している職人。そして世界各国から集められる最高級の素材。その全てが詰まっていると思うと消して高くはない値段だと思います。
1万円代で販売されているジョンストンズのカシミアマフラーを購入しました。果たして本物なのか?気になる方は上記記事も合わせてお読みください。
ジャミーソンズ『フェアアイル柄の定番』
ジャミーソンズの基本情報 | |
創業年 | 1893年 |
地域 | スコットランド、シェットランド |
定番 | フェアアイル柄のニットベスト |
特徴1 | 現存するシェットランドセーターの中では最古参のブランド。 |
特徴2 | 温かみのある伝統的なフェアアイル柄が人気。 |
スコットランド北部にあるフェア島発祥のシェットランドウールブランド「ジャミーソンズ」
フェア島で伝統的に編み続けられていたフェアアイル柄の製品を生産しており、フェアアイル柄といえばジャミーソンズと言われるほど市民権を獲得しています。
ケルト文化×北欧文化をMIXしたようなフェアアイル柄は見た目が鮮やか。
冬のトーンの落ちたファッションに良いアクセントを与えてくれますね。
ジェミーソンズは毛足が長く油分を多く含んだシェットランドウールを使用。
軽いにもかかわらず保温力が非常に高く冬に一枚レイヤーとして着込むだけでかなりの暖かさを感じられる。
ジャミーソンズは、柄物ニットが気になる方に真っ先におすすめしたいアイテムです。
エベレスト『今は無き名作ニット』
エベレストの基本情報 | |
創業年 | 1873年 |
地域 | スコットランド、シェットランド |
定番 | シェットランドウールニット |
特徴1 | 登山家エドモンド・ヒラリー率いるヒマラヤ遠征隊が特注したのがエベレストセーターの始まり |
特徴2 | ファインシェットランドウールを使用。天然素材ならではのガシッとした質感と保温力が魅力。 |
人類史上初めてエベレスト登頂に成功したエドモンド・ヒラリー。彼がAnderson&co社に特注依頼したことが「エベレスト」の始まり。
その後ヒラリーのエベレスト登頂成功がきっかけでAnderson&co社より正式にエベレストというブランドが誕生しました。
素材はスコットランドの「シェットランドウール」100パーセント。メリノウールのようなしっとりとした肌触りは得られませんが、確かな保温力と硬さゆえの耐久性。が魅力です。
残念ながらEVERESTは2016年に閉業。ブランドが消滅しました。
2023年現在中古市場でもあまり見かけなくなったので、もし見つけた方はぜひ購入をおすすめします。
後世に残していきたいブランドなのでブランド消滅はしましたが今回この記事に加えさせていただきました。
ウィリアムロッキー『ラムウールニットの王様』
ウィリアムロッキーの基本情報 | |
創業年 | 1874年 |
地域 | スコットランド、ホーウィック |
定番 | ラムズウールクルーネック |
特徴1 | 創業当時から変わらず家族経営。ホーウィックの自社工場で丁寧に作られる。 |
特徴2 | デリケートな作業ゆえ1週間に50着程度しか生産することができない。 |
ラムウールの中で最高級品種とされる「ジーロンラムズウール」を使用したニットが有名な「ウィリアムロッキー」家族経営にこだわり、今なお自社工場でひとつひとつ丁寧に生産されます。
ラムウールは生後5〜7ヶ月前後までのメリノウールのこと。
メリノウールどうようとてもなめらかでもちっとした着心地は最高。
袖口と裾がリブ仕様となっているためフィット感がとく、隙間からの風邪の侵入も防いでくれます。
加えてとても軽く軽快な着心地なので、ニットセーターを着ているというよりはロンTを着ているかのような軽快さ。チクチクするニット・セーターが苦手な方はウィリアムロッキーがおすすめ!
ピーターバランス『シャギードッグの伝道師』
ピーターバランスの基本情報 | |
創業年 | 1923年 |
地域 | スコットランド、シェットランド |
定番 | シャギードッグセーター |
特徴1 | 犬の毛のように毛羽立たせたシャギードックセーターが有名 |
特徴2 | ケネディー大統領や多くのアメリカ著名人が着用。アイビースタイルには欠かせないアイテムとなっている。 |
シャギードックセーターに紺色のブレザー。アイビールックの定番コーデにピーターバランスは欠かせません。
アザミという植物の棘でニットを引っ掻いて毛羽立たせて作るシャギードック。その名の通りまるで犬のようなモケモケした可愛らしい印象が特徴です。
シャギードックといえばピーターバランス!と言われるほど代名詞的なアイテム!
起毛させることで網目の隙間がなくなり保温力がアップするシャギードックセーター。
カラーリングも豊富なため、秋冬のマンネリコーデにアクセントを与えてくれます。
ジョンタロック『コストパフォマンスに優れた良品』
ジョンタロックの基本情報 | |
創業年 | 1900年 |
地域 | スコットランド |
定番 | クルーネックセーター |
特徴1 | 軽い/温かい/着心地が良い。3秒師が揃ったバランスの良い作り |
特徴2 | ネットだと安いもので1万円台で買えるお手頃感。 |
他のセーターブランドに比べると、コストパフォーマンスが優れているイギリスの老舗ニットブランド「ジョンタロック」
定番の7.5オンスシェットランドセーターの他に、未染色の羊そのものの色味を活かしたものや、アルパカ混のモデルなど多彩なモデル展開がされています。
決して目立ったデザインではないけれど、袖を通したくなる不思議な魅力のあるブランドです。
ライト目なシャットランドウールを使用しているためとても軽快な着心地が得られます。
どしんと重い目の詰まったセーターもいいですが、秋冬はじめにさらっと袖を通すのであれば、ジョンタロックのライト感はとてもオススメです。
ブラックシープ『黒羊の希少種を使用』
ブラックシープの基本情報 | |
創業年 | 1966年 |
地域 | イングランド |
定番 | ブラックシープセーター |
特徴1 | 羊の中で最高峰と言われる「ブラック・ウェルシュ・マウンテン・シープ」のウールを使用。 |
特徴2 | 油分を多く含んでおり、撥水力と保温性がとても高い。 |
絶滅の危機に瀕していた黒羊「ブラック・ウェルシュ・マウンテンシープ」その品種の羊を6頭飼うことからブランド「ブラックシープ」はスタートしました。
イギリス唯一の黒い毛をまとう羊で、世界最高峰の羊の品種の一つとして数えられています。
ブラックシープは羊本来の素材性を活かしており、染色は行わない。脱脂も必要最低限しか行いません。
ブラックシープは、多く油分を残すことにより、雨を弾く撥水性、そして風を通さない保温性を得られます。加えて頑丈な毛質であることからアウトドアウェアとして人気のウールです。
正直、購入時の毛は硬く油の匂いも感じられます。しかしそれが本来のウール。天然素材ゆえのワイルドさなのです。
自然体に近いウールアイテムがほしい方はブラックシープがオススメです。
ハーレー・オブ・スコットランド『シームレスの都会的ニット』
ハーレーオブスコットランドの基本情報 | |
創業年 | 1929年 |
地域 | スコットランド東海岸部 |
定番 | シェットランドウール クルーネックニット |
特徴1 | 縫い目の無いシームレス製法でつくられる |
特徴2 | 発色がよくカラーバリエーションが豊富 |
スコットランドに老舗ニットブランド「ハーレー オブスコットランド」
ブランド最大の特徴は、縫い目の無いシームレス製法。脇や胴部分に縫い目がないため、ごわつきにくく快適な着心地が得られます。
発色がよくカラバリも豊富なのでお気に入りのカラーに出会いやすいのも嬉しいポイント。
シェットランドウールのものが有名ですが、それ以外にもイタリア産のメリノウールやカシミア混素材のものなど様々なアイテムを取り揃えています。
歴史を重んじながらも常に挑戦を続けているブランド。それがハーレーオブスコットランドです。
※おまけに機械生産も積極的に導入しておりコスパが優れているのもナイスな点!
【関連記事】ハーレーオブスコットランドのニットは着心地抜群
深掘り記事も作成しました。気になる方は上記記事も合わせてお読みください。
インバーアラン『アランニットの王様』
インバーアランの基本情報 | |
創業年 | 1975年 |
地域 | スコットランド アラン諸島 |
定番 | アランセーター |
特徴1 | ハンドニットは一人のニッターが約90時間25,000ステッチ以上をかけて作られる |
特徴2 | インドでニッティングされるようになりコストを抑えれた。 |
アイビールックに欠かせないニットブランド「インバーアラン」
ハンドニットはとてつもない時間と労力をかけて作られるため高級。カシミア素材のものであれば物によっては20万円を超えます。
インバーアランのニットは誰もが一度は憧れるアイテム!
職人による手仕事だからこそ生まれる個体差も魅力の1つ。1つとして同じサイズのものはなく若干の違いが観られます。
アランニット特有の伝統的なパターンは男心をくすぐりますね。
【まとめ】
イギリスブランドの名門セーターブランド紹介でした。
『ウールの種類についてもっと詳しく知りたい』そんな悩みをこの記事で解決しちゃいます! いなか(Inaka1992)ひとくちにウール素材と言っても様々な種類が存在しています。なんとその数3000種以[…]