
こんにちは!スグレモノ運営者の『Inaka』です。
今回は、機能がそっくりで素材も同じコットン100%を使用している、ベンタイルコットンとオイルドコットンについて。
似ているようで、全く違うこの素材達にはどの様な特徴があるのか!徹底深堀りします。
同じイギリスのコットン素材、ベンタイルコットンとオイルドコットン。
『なんとなく見た目の違いは知っているけど、人に説明できるほどの素材の違いはわからない・・』
という人がほとんどではないでしょうか。
ぜひこの機会に、両素材の特徴や違いについて学んで、他のおしゃれさんより知識を深めてみてください!!
きっと、もっともっとオイルドとベンタイルが好きになるはずです!!
★この記事では下記の順番で進めていきます。
なるべくわかりやすいように説明しようと思うので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
①ベンタイルコットン素材の基本情報(メリット)
②オイルドコットン素材の基本情報(メリット)
③両素材を比較して結局どちらがおすすめなのかを考える。(欠点探し)
ベンタイルコットンとは?【歴史と特徴紹介】

コットン素材のなかで最強素材とされるのが『ベンタイル』
ウールのスラックスのような光沢感が特徴の100%コットン素材。
細番手のコットンを超高密度に織ることによってベンタイルは出来上がります。
コットンの使用量が多く、手間も普通の生地の数倍かかる。
手間と時間がかかることから、価格も高く、一般的には高級素材です。
では、そんな高級素材のベンタイルコットンのスペックとどのようにして生まれたか、歴史について紹介していきます!
ベンタイルのスペック
ざっくりとベンタイルコットンの特徴はこんな感じ。
- 完全防水に近い防水性
- 一切の風を通さない防風性
- 体の熱を逃がす浸透性
スペックだけ見ると、ナイロン素材のゴアテックスとほぼ同じ機能。
では、それぞれ解説していきます。
防水性
「なぜ綿素材なのに防水性があるの?」
その理由は『超高密度にコットンが打たれているから』
そして、コットン自体が水に濡れると膨らむ素材なので、水がかかった瞬間により糸の隙間がより小さくなるのです。
水が侵入しようしても、糸と糸の隙間がほとんどなく、水が入る余地がないのです。
チノパンツを履いている時で、水で濡れて少しの間水を弾いたなんて経験ないですか?
チノパンも同様に高密度のウエストポイント生地なので原理は同じです。
防風性
防風性も防水性と同様で、コットンの間に風が入る隙間がないから。
中にインナーダウンなどのインサレーションを着て、上からベンタイルのコートを羽織ると保温性は抜群。
浸透性
コットン100%素材のベンタイルは、浸透性も抜群。
浸透性とは、体内の熱を外に出す機能のことで、コットン100%だから為せる技。
高密度のコットン素材でも、目には見えない極小さな隙間があり、そこから熱を外に出してくれるのです。
水や風を通す事ができない小さな穴だけど、熱気は通ることが出来る。
ベンタイルコットンはまさに洋服に必要なすべての機能を持った素材。
★利点ばっかり紹介しましたが、オイルドと比較の時に欠点も紹介します。
そのまま読み進めてください。
ベンタイルの歴史

ベンタイル生地を最初に作ったのはイギリスのファブリックメーカーのタルボットウィービング社。
ベンタイルコットンが生まれたのは1930代後半頃とされています。
起源はミリタリー。
第二次世界大戦の最中、海に落ちたパイロットは救助される前に、海水の冷たさで死んでしまう事が多く、それを少しでも改善しようとベンタイルは採用されました。
水を弾くベンタイル素材に変更することにより、従来よりも20分海の中で救助を待つことができ、80パーセンとも救助率が上がったのです。
命を守る素材として生まれたのがベンタイルなのです!
この時代は防水ナイロンもゴアテックスのような特殊加工ももちろんなかったので、ベンタイルという生産コスト度外視のコットン素材が使用されていたのです。
後に、イギリス登山部隊や様々な軍でベンタイルが採用されることとなりました。
ファッション面でもベンタイルコットンは優れています。
・防水性や浸透性はあるのに、ナイロンのようにシャカシャカしていない。
・コットンなので着心地は抜群
・程よい光沢感があり、コーディネートで際立つ。
この様な理由からおしゃれアイテムとしても親しまれています。
ベンタイルの説明だけですごく長くなってしまいました。
次はオイルドコットンの特徴!
オイルドコットンは手短に説明しますね!
オイルコットンの特徴
雰囲気抜群のコットン素材のオイルドコットン。
名前の通りですが、コットンにオイルをコーティングすることによってできた素材です。
こちらの生地も安価ではない。
だけど一般的にはベンタイルコットンのほうが高価です。
オイルドコットンの特徴は以下の通り。
- 完全防水に近い防水性
- 一切の風を通さない防風性
- 体の熱を逃がす浸透性
『あれ?ベンタイルと効果は同じだぞ?』
オイルドコットンもベンタイルと同じように、防水・防風・浸透性があります。
オイルドクロスの詳しい効果については別記事で書いたので、こちらを参考にしてみてください!!
『オイルドクロスの効果と注意点を学ぶ【バブアー購入前の基礎知識】』
特徴は上記記事で読むとして、次にオイルドコットンの歴史について紹介します。
オイルドコットンの歴史
オイルドコットンが普及したのはバブアーあってのもの。
それは1894年に始まります。
つまり、ベンタイルコットンよりも40年も前から存在する歴史あるコットン素材なのです。
当時は高度経済成長期。
バブアー発祥のサウスシールドは漁業や造船業が盛んな港町で、防水性の富んだオイルドジャケットはまたたく間に人気となったのです。
まだ完全防水で丈夫な素材がなかった時代。
そんな時代に自然と溶け込んだのがオイルドコットンなのです。
後にイギリス軍が使用したり、ハンターが使用したりと、機能性が高いオイルドコットンはイギリスを代表する素材へとなりました。
今ではオイルドコットンを代表するブランドのバブアーはファッションアイコンとして、老若男女に親しまれています。
次は最後。
ベンタイルコットンとオイルドコットンの欠点を紹介し、実際どっちが良いかを考えます。
『【バブアー】ビデイルジャケットの魅力とサイズ感とおすすめコーディネート』
ベンタイルとオイルドコットンの欠点は?【まとめ】
コレまでの説明だと、ベンタイルとオイルドコットンは万能素材のように聞こえるかもしれませんが、欠点もあります。
それぞれの欠点を見ていきましょう。
ベンタイルコットンの欠点

- 擦れることで防水機能が失われていく
- 使い込むことでコットンが白く色あせてくる
- 価格が高くてなかなか手が出せない
①防水機能が失われていく
・オイルドコットンはリプルーフ(オイルを再度塗り込む)することによって、半永久的に防水機能が保てるのに対し、ベンタイルコットンには寿命があります。
生地が徐々に擦れていくことで繊維の隙間が広くなり、水が染み込んでくるのです。
解決策↓
防水スプレーを使って撥水力を維持するしか無い。
②色が褪せてくる
・シエラデザインのマウンテンパーカーに使われている64クロスと同じように、ベンタイルコットンも色落ちしてきます。
解決策↓
経年変化と考え、色落ちを楽しむ。
③価格が高くてなかなか手が出せない
・コットン素材でなんでこんなに高いんだ思える値段設定。
ドメスティックブランドのベンタイル素材を使ったコートなどは、15万円〜から。
それだったら、マッキントッシュのゴム引きにしようと思ってしまう人も多いと思います。
解決策↓
なし。
気に入ったものを思い切って購入!
オイルドコットンの欠点
- オイルドコットン特有の匂いがする
- とにかく重い
①オイルドコットン特有の匂いがする
・古着のオイルドコットンだと特に油臭い。
電車に乗るのは控えるべきレベルの匂いがします。
解決策↓
現行品の比較的匂いの少ないオイルドコットンを選ぶ。
or
ニオイがきついものは、洗ってオイルを抜く(防水機能は無くなる)
②とにかく重い
・たっぷりとオイルの染み込んだオイルドコットンのジャケットはかなり重い。
レザージャケットのような重みを感じます。
解決策↓
重厚感=高級感と考えて、重みを楽しむ
結局ベンタイルとオイルドコットンのどっちが良い?
ベンタイルコットンとオイルドコットンはスペックは似ているけど、見た目(雰囲気)は真逆に位置しています。
ベンタイル=上品な光沢感
オイルドコットン=土臭くアウトドアやハンティングの雰囲気
個人的な意見も入りますが、上記のようなイメージが強い。
なので、きれいめに着こなしたいってかたは、ベンタイル。
男らしく着こなしたいって人はオイルドコットンの物を選ぶと良い!
★ファッション上級者はオイルドコットンをきれいめに着こなしたりしているので、あくまで初めて買うのであれば!!
以上がベンタイルとオイルドコットンの大きな違いと、特徴の話でした!
最後までありがとうございました!!