アークテリクスの劣化が激しいという記事を以前書きましたが、今回はその劣化したマウンテンパーカーの撥水機能を復活させます!
撥水機能が落ちたゴアテックスジャケットを専用の洗剤を使用したらどれほど撥水機能が戻るのか。
7年使用しているアークテリクスはそもそもがボロボロなので、少し不安ではありますが早速洗濯したいと思います!
★撥水機能が落ちる事によるデメリット
「【永久保存版】洋服別&素材別の正しいケア方法を紹介」
現状のゴアテックスの劣化具合

アークテリクスベータARの現状は写真のように、30秒もすると撥水せず、染み込んだような形に変化してしまいます。
ベータARは3層構造のゴアテックスなので、LTや他のゴアテックス素材にくらべて防水性・撥水性ともに強いものに分類されます。
使用年は7年以上、大雨のなかでも使用。
そしてほとんどケアをせず。
ケアの大切さに7年目にして気付かされました。
経年劣化例の記事を読んでもらうと分かる通り、撥水機能以外にもボロボロ。
ゴアテックス素材を洗濯する手順を紹介
はじめに今回の洗濯の流れ。
みっちり洗濯コース。
通常の洗濯方法以上にきれいそして、撥水機能が戻る方法!
ゴアテックスの洗濯の流れ
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ステップ2:洗濯(ゴアテックス用洗剤)
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ステップ3:乾燥機にかける
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ステップ4:撥水処理(防水スプレー)
ステップ1:ゴアテックスを通常洗濯する
最初のステップは洗濯機で洗濯。
この工程は撥水機能を高めるというよりは、外側と内側の汚れを洗い流し、劣化を防ぐための工程。
雨の日の使用や、季節の変わり目などに、通常洗濯(デリケート洗濯でも良い)をしておきましょう。
洗剤は特にこだわる必要はなく、家にあるいつも使っている洗剤でOK!
わたしはアリエールを使いました。
但し、柔軟剤、漂白剤は使わないで!!
洗剤のみでOK!
もし温度設定ができるのであれば、ぬるま湯(35〜40度)で洗うとより効果的に汚れを洗い流せます!
ネットはしてもしなくても良いです。
洗濯機を使用するときの注意事項。
①ファスナーは必ずしめる
写真のように、すべてのジップをしめましょう。
★止水ジップの破損の予防と、ジップの金具部分が洗濯の際生地にあたり傷むということを予防するため!
②フードは緩める
★フードの調整を緩めて、シワを無くして、むらなく汚れを取るため!
ステップ2:ゴアテックス用洗剤を使いもう一度洗濯
ステップ1では普通の洗濯方法で洗いをしました。
次はさらに汚れを取ることと、撥水機能を高める為の工程
撥水機能を高める洗剤というのが販売されているので、「ゴアテックス 洗濯液」とかで検索してみて下さい。
説明書をよく読み、必ず説明書を読んで、そのメーカーが推薦している方法で洗濯しましょう。
今回使用したものはNSTのテキスタイルプルーフ
1枚のジャケットに2杯の液体洗剤。
水の量は25Lと記載されているので、そのとおりに洗濯。
参考にさせていただいたYAMA HACKさんではすすぎは2回との記載がありましたが、これに関してもどちらでも良いかと思います。
撥水復活系の洗剤はたくさんありますが、できれば天然素材100%のものが良いです。
ステップ3:乾燥機で撥水機能を取り戻す
洗濯で汚れを落とし、撥水機能を復活させる下準備ができました。
次の段階では熱によって撥水機能を戻すということ。
ゴアテックスは熱を加えることによって本来の効果を取り戻すことができます。
自然乾燥で太陽の熱で乾かす方法や、乾いたあとにアイロンを当てるケア方法もありますが、絶対に乾燥機がおすすめ!
アイロンだと慣れていないと生地全体に熱を与えることが難しく、何よりめんどくさい!!
楽ちんな乾燥機が現実的なケア方法です。
時間は10分くらい。
ジャケットは洗濯機に入れたときと同様、すべてのファスナーを閉じておきましょう。
ひっくり返したるする必要もありません!
乾燥機を使った実験「M52フランスチノパンを乾燥機へ。サイズとアタリの変化」を読むと、乾燥機の便利さがよく分かると思います!!
乾燥機の撥水具合はこれくらい。
すでにかなり復活していますが、最後のステップへ!
ステップ4:撥水機能持続の為防水スプレーを吹く
最後のステップそれは防水スプレーで表面をコーティングしてあげるということ。
乾燥機の時点で十分に撥水機能は戻っていますが、コーティングすることによってより長い期間撥水機能が持続します。
革靴に使うような価格の高い防水スプレーだともったいないので、ホームセンターに売っている安くて量の多いものが良いと思います!
最終的に撥水機能はかなり復活しました。
しかし間違えてはいけないのは、購入時の撥水機能は取り戻せないということ。
高価なGORE-TEX素材とて寿命はあります。
そもそも撥水機能が落ちることのデメリットとは?
原点に振り返って、そもそもなぜ撥水機能は必要なのか?
防水機能があって水が侵入しないなら、必要ないじゃん?と思ってしまいますがそれは大きな間違い。
撥水機能が無いものは一言でいうと、「中がジメジメ」なんです。
外に身体の熱気を出すことができなくなり、安いカッパのように湿気がすごくなります。
体温の調整が難しなるとアルピニストにとっては命に関わることなんです。
街使いだとしても、より快適により長く切るために大切なケア。
それが撥水機能を取り戻す根本的な意味なんです。
ぜひ皆さん面倒くさがらずに試してみて下さい!!