価格高騰中の人気フランスミリタリーパンツ
M52チノ
ベーシックかつ存在感のあるチノは、ここ数年のトレンドのビッグシルエットも相まってかなり人気が高くなっています。
ミリタリーならではのディテールの違いや、素材感の違いなど。
いろんなストーリがありますが、今回はぱっと分かる前期タイプと後期タイプの違いについて!!
これを読めば古着屋さんですぐに違いを見分ける事ができます!!
アメリカ軍の名作ジャングルファティーグの年代判別方法にいついての記事「「永久保存版」ジャングルファティーグ年代判別方法の紹介」も合わせてどうぞ。
★前期タイプと後期タイプの違いを知りたい
そもそもM52チノとは何なのか?
はじめに、このパンツの基礎情報!
M52チノトラウザーズは簡単に言うと、1950年代から〜1960年代頃までフランス軍で採用されていたパンツで、最大の特徴は太いながらも緩やかにテーパードのかかった美しいフォルム!
特に変わった形でもないのに、M52とひと目で分かる存在感があります!
そしてフランスのもう一つの名作パンツM47の次の世代にあたるのがM52なんです。
フランス製の太いけどきれいなシルエットのチノ
くらいの認識で良いのかなと思います。
M52のサイズ感について
フランス軍のパンツのサイズは一言でいうと大雑把。
表記が35でも個体差がすごくあります。
サイズの選び方としては、「何でも良い」のかなと
何でも良いというと語弊がありますが、もちろんジャストサイズが有ればよいのですが、まず無いと思っていて良いかも。
M52はウエストは基本ブカブカだし、レングスは長すぎる。
「M52はそれくらいでかめが良いんだ。」位に思って、ウエストはベルトでガッツリ絞って、タック感をより出して、レングスはロールアップしてスタイリングを楽しむのが良いと思います。
ジャストでロールアップせず履いている人を見たことないですし。
どかんとオーバーサイズをシルエットとして楽しむパンツなんです!
※デッドストックから洗濯して乾燥機をかけと結構縮むので、大きめをガツンと縮ませるのも楽しいですよ。
その実験の記事はこれ!
「M52フランスチノパンを乾燥機へ。サイズとアタリの変化結果」
M52の前期と後期の特徴と違い
この記事の本題ですが、このM52には大きく分けて前期タイプと後期タイプがあります。
M47と同じですね!
コントラクターや製造年によって細かな違いはまだあるのですが、前期後期の大きく2つ分けた違いの紹介。
前期後期ともに共通するディテール
はじめに共通する部分の紹介。
前期のパンツも後期のパンツも同じ仕様な部分が多々あります。
その1:ワンタックとツータック
前期も後期もワンタックのものもあれば、ツータックのものもあります。
コントラクターの違いや、細かな年代によるものです。
なのでワンタックだから後期や前期というように見分けることができない。
個人的にはドカンと履くパンツなのでツータックのほうがおすすめ!
その2:イン・アウトシームのステッチ
基本的に前期も後期もインシームとアウトシームはダブルステッチ。
たまにシングルも出てきますが、シングルはレアな部類になります。
その3:ガゼットクロッチ
ガゼットクロッチのものも存在します。
ガゼットクロッチとはグラミチのパンツのように股下に面積を与えより足の可動域を広げることができる仕様。
その4:ボタンの色
古いものはブラウン系のものが多く、後期の中でも後の方のものはベージュ系のボタンフライ。
ただこのボタンも前期後期で見分けるのは難しいです。
また、生地感も年代やコントラクターによって全然違います。
前期後期の決定的な違い
生地も色々あって、縫い方や細かな違いは混在している。
そしたら、何が違うのか?
かなり前置きが長くなりましたが、前期後期のひと目でわかる違いの紹介。
バックポケットが、フラップポケットなのかストラップで止めているのかという違いだけ。
大きく分けるとたったこれだけです。
上記の写真のように、バッポケットがフラップになっているものは全部後期タイプです。
フラップが付いていないものが前期ということになります。
圧倒的に前期タイプの球数は少なく、レア。
あれば即買いですね!
生地感や、シルエットは殆ど変わらないので、どっちが良い悪いということはなく、ただ前期は希少価値が高いというだけです。
近年後期ですら価格が上がってきているので、どちらもレアなものになっていくのは間違いありません。
前期後期の見分け方まとめ
①シルエット
②インシームとアウトシームの縫い方がばらばら
③ガゼットクロッチがあったりなかったり
④ボタンがブラウンやベージュ系
⑤ワンタックとツータック
前期後期の違い
★フラップポケットが後期で、フラップでないものは前期!
・希少価値は圧倒的に前期のパンツだが、どちらも価格は上がってきている。
余談「チノパンのルーツ(歴史を紹介)」
最後にチノパンってそもそも何なの?って話。
インド在留のイギリス人の白いパンツを手染めで染め上げたものが始まり。
白パンだと戦場で目立ちすぎるのでアースカラーに染め上げて、迷彩効果を出したということなんです。
チノの語源はいくつかあるようで、一つはアメリカ軍がイギリスから中国を経由して輸入し チャイナ(CHINA)から届くのでチノ(CHINO)と呼んだような。
素材はデニムなどと比べ細い番手の糸で綾織で織っています。
綾織ではなく双織でおられているより光沢と強度の高いものがウエストポイントと呼ばれ、チノの中では高級な部類になります。
基本的には左綾織
綾織でも双織でも結局チノはチノなので、定義はざっくりしています。
以上名作チノパンM52の年代判別方法でした!
【関連記事】
・【仕様レビュー】M52パンツの経年変化が知りたい人必見「着用1年の変化具合を紹介」