ミリタリー好きなら絶対知っているであろう名作のスイス軍の山岳部隊が使用していたザック。
今回はちょっと使いづらいこのリュックの特徴や歴史を徹底的に紹介します。
雰囲気抜群のPVCバックは都会では浮きますが、キャンプにもってこいの名作バックパック。
実際わたしも年に1回の頻度で使用したらよい方。
ほとんど使うことはありませんがどうしても手放すことができません。
その理由と魅力に迫ります。
★最新のバックパックを提供しているアークテリクスが気になる方はこちらもどうぞ!
「「流行りすぎたか」アークテリクスのアロー22!結局買うべきなの?」
★PVC素材について知れる
★様々な角度からの写真が見られる
スイス軍山岳バックとは?
スイス軍が実際に1980年代に使用していた、マウンテンバック。
ナイジェルケーボンが好んで使用していたスイス軍のごま塩色のリュック、通称「ソルトアンドペッパー」の後期型になります。
実際の正式名称がいまいちわからなく、マウンテンリュックと記載しているところや、スイス軍PVCバックとかいろんな呼び方が有ります。
ダントツでソルトアンドペッパーのほうが人気がありますが、この山岳バックのほうがスペックはかなり高くなっています。
80年代実際にアルプス山脈の山々を軍が歩いたこのバックパックは、現在の軽くて楽ちんなバックパックのヒントになったものがたくさんあるのかな?
と実物を見ると感じます。
繊細な手仕事で有名なスイスが作る本気のミリタリーリュックは、他の国のものと一線を画す重厚感。
次はそのバックの真髄であるPVC素材について。
PVC素材の基礎知識
山岳バックの素材は重厚なレザーと、鉄のストラップと、PVC素材。
このリュックの最大の特徴はPVC素材で、この素材こそが山で耐えうることができる耐水素材なんです。
現在は最薄で軽量のゴアテックスナイロンや、ハイデニールのナイロンがバックパックには使用されています。
80年代にはまだそのような素材がなかったので、防水性があり引き裂きにもつよいPVCをスイス軍が採用しました。
PVCの主な特料は下記の通り。
①防水性が高い
②引裂きに強い
③レザーのような質感で味がある
④加水分解がしにくい
⑤汚れがつきにくい
デメリット
①通気性はゼロ
②生地が硬め
PVCとはポリ塩化ビニールの略で素材としてはいわゆる、プラスチック素材の1つ。
他にはファイクレザーもPVCです。
本物のレザーだと手入れが大変だからファイクレザーを使うって人も多く、よく街を見渡して見るとこのPVC素材はたくさん見ることができます。
一般的にはPVC=安価
革の偽物くらいに思っている人が多いですが、実際メリットだらけの高機能素材なんです。
通常のナイロンに比べると、防水性はPVCのほうが上。
おそらく完全防水で1滴も水が入ることはありません。
気象の変化の激しい、アルプス山脈だと、防水性能がもっとも必要なのでこの素材は80年代では間違いなく最高素材でした。
防水性・耐久性が高く、ミリタリーとしての渋いPVCは現代でも十分に使える素材です。
山岳部隊バックのスペック紹介
PVCとレザーの組合せの80年代の高性能バックの各パーツのスペックを見ていきます。
現代のバックパックに負けず劣らずの考えられた機能性がこのカバンにはあります。
スペックその1:頑丈なレザー
PVCバックでレザーを使用している部分は、ポケットを閉じるストラップ部分と底部分。
オイルをたっぷりと含んだレザーはしなやかかつ頑丈。
硬めの素材のPVCレザーであってもレザーストラップのおかげで開け締めは快適。
すでに40年近く経っているアイテムですが、さほどケアをせずとも劣化は見られません。
昔のレザー特有のクラックが良い感じで雰囲気は最高。
底はきれいに貼られたグリーンレザー。
底はしっかりマチを取っているので容量は十分。
おそらく50リットルくらいのカバンなのかな?
底とサイドにプレートが入っているので、底が崩れることがなく、荷物を入れたときの重さは均一になります。
重い荷物を入れても安心感の有るので何でも入れることができます。
スペックその2:徹底された防水性
PVCは防水性に長けた素材ですが、スイス軍リュックはその上更にカバン内への水の侵入を防ぐ工夫がされています。
まず上部は別途写真の様に傘が設けられています。
大きめのカバーとなっているので、水が外に流れやすく、上部に縫い目が無いので、縫い目からの雨の侵入も防ぐことができる仕様。
中を開くと、内側には更に絞ることのできるカバーがあります。
紐を絞ると巾着袋のように、更に蓋をすることができるので、万が一の水の侵入さえも防ぎます。
紐までグリーンで統一しており、金具の補強もあるので、破損はしづらくなっています。
紐を結ぶだけのシンプルな仕様なので、ものを取り出すことも簡単なところもいいところ。
スペックその3:背負心地最高の背面
バックパックは背負心地が命。
スイス軍リュックも80年代の物とは思えないほどの背負心地です。
ウエストベルトはないのに、安定感があるんです。
ベルトはすべてレザーで、背面にクッションはありません。
それでも尚安定して背負心地が良い理由の1つは、背負うときの高さ。
リュック上部に背負うショルダーストラップがしっかりと備え付けられているので、背負った際の位置の調整ができ、しっかりと荷物の重さを背中全体に伝えることができます。
後見た目でいうと、レザーで構成されたストラップがただただかっこいい。
背負やすさのもう一つの秘密はウエストのクッション構造
ウエストベルトで密着させて安定感をもたせるのではなく、歩いた時の衝撃をクッションで軽減させる仕様。
この隙間を開けることにより、腰への負担は軽減されています。
内側背面部分に縦長にプレートが入っています。
写真では分かりづらいですが、背中部分に細長い鉄板のような硬さのものがあります。
鉄板部分が背負ったときに背中にアタリ、重さを背中の上から下まで均等にしてくれています。
ショルダーの調整・腰のクッション・内部の鉄板の3つが最大限まで背負い心地を良くしているのです。
山岳バックのまとめ
スイスミリタリーの山岳部隊バックの後期型。
スペックと歴史まとめ。
・スイス軍ソルトアンドペッパーの後期型
・80年代のヴィンテージ品
・山岳部隊用のバックパックだった
スペック
・PVC素材で防水性は抜群
・レザーも使用していて耐久性もある
・背負いやすいように背面は設計されている